広島大学 大学院先端物質科学研究科 半導体集積科学専攻 極微細デバイス工学研究室

研究テーマ


1) エコ社会に向けた日本発極薄膜高制御トランジスタの実用化に向けたHiSIM-SOTBの開発

SOI-MOSFETを更に進化させた新構造が日本から発信された。これは極低電圧を狙ったもので、これを実用化してエコで世界をリードする最先端プロジェクトに貢献。

2) 人工肺開発に向けた有機トランジスタの集積化

医学グループ等と連携して、有機ポリマーを材料とした人工肺の開発を目指している。そのために有機薄膜トランジスタを極低電圧で制御し、更に新機能も合わせて創生する。

3) トランジスタ内熱伝搬リアルタイム測定の実現と熱再利用の検討

トランジスタは熱を発生する。トランジスタから熱が発生し伝搬していく過程をリアルタイムで測定し、熱を積極的に利用する道筋を構築する。

4) 頑強な新材料SiCを用いたオールジャパン・パワーエレクトロニクスの実現

環境問題に対処する高エネルギー効率を実現する材料として、SiCへの期待が高まっている。この材料を用いたデバイスの検証と超高耐圧MOSFETトランジスタの可能性について、産官学共同研究開発の一翼を担う。

5) クルマの完全エネルギーリサイクル実現に向けたパワーデバイス集積化技術

車両におけるエネルギー回生技術の中核をなすパワーデバイスに要求される高性能化と低エネルギー化の両立というパラドックスの解決法をエネルギー損失の観点から提案し、次世代開発に指針を与える。

6) 電力不足解消に向けた10kV超パワーダイオードの電力損失シミュレーション

西日本と東日本の電力融通には周波数変換所や高効率な電力利用を可能にする直流送電への利用が不可欠となる。この実現でカギを握るパワーダイオードのスイッチング低電力損失を実現する。

7) キャリアライフタイム制御によるパワーデバイスの高速動作実現

キャリアを電圧によってのみでなく構造を工夫することによって制御する可能性を探りパワーデバイスの性能向上に貢献する。

8)  配線・トランジスタの高周波特性評価技術

デバイスの周波数領域特性評価ではSパラメータと呼ばれる量を測定するが、測定器の出力する値そのままでは欲しい情報になっておらず、測定試料の適切な設計と、測定データの後処理とが必要とされる。測定値からデバイス特性を正しく取り出すための理論や試料の設計技術について研究する。

9) 超高周波・超高速配線・トランジスタの回路理論とデバイスモデリング

超高周波・超高速回路のシミュレーションでは、デバイスモデルの抱える非物理性が増幅されて深刻な結果をもたらすが、そもそも物理的なデバイスモデルとは何だろうか?この問いに対する答えを与えるのが回路理論で、理論の拡張と、その応用としての高周波デバイスモデリングに取り組む。

10) MOSトランジスタの超高周波特性の物理と応用

MOSFETの反転層は、ある条件下でプラズマ振動を起こすことが知られている。この振動周波数は、MOSFETの通常の高周波応答の上限である遮断周波数fTよりも1桁程度高いため、新しい超高速動作メカニズムとして期待されている。この現象も含め、超高速・高周波回路実現に資するデバイス物理とシミュレーション技術の研究をおこなう。